沖縄本島南部で家を探したい。そう思っても、あまり土地勘がない人にとっては、住みたいエリアを絞るだけでも難しいと伺います。家族構成や車の有無によっても暮らしやすい地域が変わり、暮らしの中で何を重視するかによっても判断基準が変わると思います。
この記事では「糸満市の住み心地と暮らしやすさ」についてご案内します。
弊社オーエンのおすすめ情報とともに、沖縄移住歴15年以上、ライターとして活動している「みやねえさん」の目線から、リアルな情報をお伝えします。糸満市在住の方にとっても、新しい地域の魅力発見につながれば幸いです。
沖縄本島南部の西側に位置する糸満市。
西側は東シナ海、南側の一部が太平洋に面し、海とともに暮らしが存在する一方で内陸側には畑が多く、農業も盛んな地域です。海と森や畑に囲まれながら新旧の町並みが交ざり合う糸満市は、わりと何でも揃う利便性の高さと暮らしやすい環境が整っています。
沖縄を拠点に活動するライター・編集者 みやねえです。それぞれの集落を実際に巡り、取材・調査しながら住民の方に伺った話も交えて、リアルな情報をお届けします。
海と自然に囲まれ、昔ながらの慣習が残る「糸満市」
糸満市の北部から豊見城市(とみぐすくし)へ。さらに北上すると那覇市に通じます。東側は八重瀬町と接し、国道331号線を進むと南城市へ。南部へ行くにつれて自然が豊かになり、天然ビーチや断崖絶壁の海岸線が広がります。
●糸満市誕生までの歩み
戦前は中心地の糸満町、北部の兼城村(かねぐすくそん)、中部の高嶺村、南部の三和村(みわそん)に分かれていました。旧糸満町は糸満漁港がある現在の糸満市糸満。糸満市の代表的な伝統行事の糸満ハーレーや糸満大綱引が行われ、糸満市の慣習が色濃く残る地域です。1961年10月に1町3村が合併して糸満町となり、1971年12月に『糸満市』が誕生しました。
21世紀に入り大きな変化は、旧国道331号線が海岸側へと移管して、2012年に国道331号線(豊見城・糸満道路)がバイパスとして開通されたこと。2017年には道路が拡張されて、渋滞の緩和や移動時間の短縮が叶い、北は那覇空港や那覇市内、南は知念半島・南城市への往来がスムーズになったのです。
沖縄自動車道も利用しやすく、高速入口まで車で最短3分。名嘉地IC・豊見城IC・南風原南ICが近く、住む地域によって便利なインターが変わります。北部へも行きやすくなり、実際に糸満市に住めば、どこへ行くにも便利に感じると思います。
暮らしやすさや住み心地、生活環境に何を求めるか。
沖縄移住を検討している方、県内から南部へ引越しをご希望の方など、自分たちの暮らしに合う地域を見つけて、よりよい暮らしを手に入れてください。
●糸満市内の小中学校・こども園・保育所、子育て支援について
糸満市には小学校が10校、中学校が6校、県立高校が2校あります。
住宅が密集する地域にバランスよく幼稚園や保育所が設立され、市立の認定こども園が5ヶ所、子育て支援センターが西崎・座波・真壁の3ヶ所。地区によっては、こども園・小学校・中学校が近接していたり、豊かな自然の中で子供が伸び伸び成長できる子育てに向いた環境が整っています。
以下、糸満市役所のホームページより
- 糸満市内、小中学校の学区を確認する
- 糸満市内、認定こども園・認可保育所・認可外保育所などの一覧
- 糸満市の「子育て支援」について
- 糸満市の一時預かり保育事業について
- 糸満市放課後児童クラブ
- 自由に利用できる糸満市の「児童センター」
- 糸満市出産・子育て応援事業(市民健康部 健康推進課)
- 糸満市こども医療費助成制度
子育て支援に関するお問い合わせは、糸満市役所「こども未来部」へ。内容により「こども未来課」「保育こども園課」に分かれます。
糸満市を4エリアに分類!各エリアについて詳しく説明します
同じ糸満市内といっても範囲は広く、地域によって特色や生活環境、利便性も変わります。そこで解りやすく、大まかに、以下4つのエリアにわけて紹介します。
Aエリア:糸満・西崎・潮崎町・真栄里
Bエリア:潮平・兼城・賀数・阿波根・座波・武富・北波平
Cエリア:照屋・大里・国吉・与座・豊原
Dエリア:喜屋武・米須・真壁など
それぞれの集落を実際に巡って取材・調査しながら現地で集めた生きた情報をもとに、糸満市の不動産会社『オーエン』の大城 大心(オオシロ タイシン)さんにも参加してもらい、各エリアの特徴や特色、生活に紐づくスポットなど、「暮らしに役立つ情報」を膨大な…情報量で…お届けします。
新旧の町並みが交差する注目エリア!Aエリア「糸満・西崎・潮崎町・真栄里」
糸満市の中でも、中心地にあたるAエリア。
糸満漁港や糸満ロータリー周辺は昔ながらの風情を残す町並みや住宅街で、比較的新しい賃貸マンションも建つ糸満市糸満。糸満市役所の移転やショッピングモールの開業で華やかになった新興住宅地の潮崎町。糸満市立中央図書館やロンドンの杜公園から市内を展望でき、住宅街を取り囲むように畑や自然が残る真栄里。そして、特に注目のエリアが西崎です。
土地開発の目的で埋め立てられた西崎は沿岸を工業地帯とし、県営団地や分譲住宅が建ち、学校や総合運動公園などが整備されて、1984年に誕生した比較的新しい街です。
Aエリアには、4つの小学校と2つの中学校、県立高校が2校あります。糸満ロータリーから東側には糸満小学校と糸満中学校。2011年に潮崎町へ移転した糸満南小学校。西崎には光洋小学校と西崎小学校と西崎中学校。そして、糸満の糸満高等学校と西崎の沖縄水産高等学校、ともに県立高校です。
保育所や幼稚園は住宅が密集する場所にバランスよく設立されて、子育て支援センター『子育て広場「ぽかぽか」』があります。便利な場所にスーパーがあったりと、Aエリアは暮らしに密着した住みやすい地域といえます。
歴史に思いを馳せる「糸満市糸満」
糸満漁港周辺や糸満ロータリーの周辺から東側にかけて、古くからの住宅が立ち並び、昔ながらの沖縄らしい街並みが残る地域です。明治時代からの歴史を誇る、1883年創立の糸満小学校。1946年に沖縄県立糸満高等学校、1948年に糸満中学校が創立されました。
大心「昔は糸満漁港を中心に栄えた町。毎年ここで糸満ハーレーが行われます。昔ながらの街並みや慣習が残る地域でもあり、独特な面白さがありますね」
筆者「掛け声や応援で盛り上がる住民の皆さんが近い距離感で行事に参加して、糸満ハレー独特の面白さですよね。橋が映える漁港の景観もいい。糸満高架橋というんですね。北は那覇空港や那覇市内に通じ、南は南城市まで続く国道331号線。道路が拡張されて便利になりましたよね」
大心「バイパスの開通によって、那覇や空港へのアクセスが更に良くなりました。朝夕の渋滞が少しずつ緩和されてるのは事実ですね。高速入口までの移動時間も短縮されて、今は糸満市からどこへでも行きやすくなったと思います」
大心「漁港の近くには『糸満バスターミナル』もあります。主に車を持たない方や学生さんが利用していて、待合室が屋外だから夏は暑い…。那覇バスターミナル行きなら意外と本数が多くて那覇市内に出るには便利です」
筆者「89番のバス。時刻表を確認すると、平日なら1時間に3〜4本ありますね。復路の最終便は那覇バスターミナル発21時台。終バス… もっと早いと思ってました」
筆者「糸満バスターミナルの向かいに『糸満自動車学校』がありますね。オーシャンビューの自動車教習所…!何とも沖縄らしい。移住者であれば『この教習所、最高!』と思いそう」
大心「僕もここで車の免許を取りました(笑)。実は名物の先生がいて。講義終了後に一緒にキャッチボールしてたのを覚えてます。アットホームでしたね。懐かしい…」
南近隣公園の遊具
東屋の奥にバスケのコート
大心「漁港から車で5分弱。敷地が広くて遊具もある『南近隣公園』では、近所の子供たちがバスケットボールのコートで遊んでいたり、とても長閑な光景でした。住宅街の中にある公園もいいですね」
筆者「糸満ロータリーから東側に坂道を上ると、糸満小学校や糸満中学校がありますよね。古くからの住宅が多いと聞きますけど、県道77号線沿いは新しいのか、きれいな賃貸マンションが多い気がしますね」
大心「糸満小学校や糸満中学校…。実は母校なんですよ(笑)小学5年生から中学まで野球をやっていて、当時の同級生は今でも模合仲間です。子供の頃から同じ土地に住み続けると腐れ縁というか、大人になっても頼もしい友人のままですね」
自然豊かな公園と住宅街!注目エリアの「糸満市西崎」
西海岸側の工業地帯から発展し、住宅街が広がった『西崎』は大小合わせて公園が多く、子供の遊び場に苦労しない子育て世代に人気のエリアです。
新鮮野菜を購入できるファーマーズがあったり、住宅街で営む飲食店に歩いて行ける便利さ。西崎6丁目には居酒屋が集まり、夜になると明かりが灯り始めます。
筆者「西崎の『道の駅いとまん』は敷地が広くて、糸満漁業共同組合『お魚センター』やファーマーズマーケット『うまんちゅ市場』が入ってます。県内の道の駅をすべて制覇した経験からお伝えすると、沖縄県内で最も大きな道の駅だと言えるでしょう」
大心「地元の人もよく利用する道の駅ですよね。特にファーマーズマーケット『うまんちゅ市場』は豊富な県産野菜が安く手に入るし、珍しい県産野菜に出会ったり。野菜を買うならココ!と市外から買いに来る人もいると聞きます」
筆者「春から夏にかけてマンゴーの季節になると、ズラーーーッ!とマンゴーが神々しく並ぶ。あれは圧巻ですね。自宅で食べるなら訳ありマンゴーがお得感満載。私も… わざわざ… ココまで買いに来ます。笑」
西崎親水公園のマップ
筆者「水路を改修してできた横長に伸びる広範囲の『西崎親水公園』が驚くほど面白いですね。子供たちが遊ぶなら水遊びのゾーン。大きな遊具や長〜い滑り台が設置され、ボール遊びや走り回れる広場もあって大勢の子供たちが遊んでますね」
筆者「なぜ、公園に大きな船? と思ったら公衆トイレでした。よく見るとサバニという」
大心「糸満らしい(笑)。野球場や陸上競技場も備えた『西崎運動公園』でも犬の散歩やジョギングを楽しむ人たちを見かけます。ここで大人気なのが、GW前後から夏期にかけて有料で開放される屋外プールのウォータースライダーなんですよ」
筆者「うまんちゅ市場の向かい側、昔の漁村屋敷が展示された『糸満海のふるさと公園』は個性的ですね。でも奥に大きな広場があって遊具や滑り台でも遊べる。美々ビーチにも遊具が置かれた『糸満漁港ふれあい公園』がありますけど、ビーチの駐車場が有料だけに、毎日遊びに行くのは忍ばれますね…」
筆者「あと『沖縄県立沖縄水産高等学校』の校舎が大きくて驚きました。偶然にも生徒さんと話す機会があって、3つの学科に分かれて総合学科が4クラス。海洋技術科と海洋サイエンス科が1クラスずつ。他校の生徒も受験できる専門学校的な専攻科もあるとか。専門知識を得られるのは興味深いし、学校の船が漁港に停泊してるらしいですよ」
糸満市役所もある新興住宅地「糸満市潮崎町」
暮らしに関わる環境が整備された潮崎町。新興住宅地『しおざきタウン』の分譲から始まり、老朽化に伴って『糸満市役所』が2002年に潮崎町へ移転。2006年にはショッピングモール『しおざきシティ』が開業し、糸満南小学校も潮崎町に移転しました。
北側には糸満市役所としおざきシティ、野球場やバスケのコートを完備した南浜公園。南側は戸建ての住宅街、糸満南こども園と糸満南小学校があり、きれいに整備された町並みは喧騒から離れた静かな環境です。
2006年に開業したショッピングモール「しおざきシティ」
大心「ここは便利ですね。沖縄のスーパー『サンエーしおざきシティ』から、家電量販店やドラッグストア、大きな無印良品もあり、ファミリーレストランのジョイフルに、あと宮脇書店もあります。一度にまとめて買い物できる。ここはよく利用しますね」
筆者「おおっ…。サンエーの店内が広い! 那覇新都心やパルコシティのサンエーにも匹敵しそうな広さかも。広範囲に渡る『南浜公園』を見渡す南浜公園の展望台は景色がいいですね。沿岸に細長く伸びる公園だけに、駐車場が5ヶ所。北側には野球場やバスケのコートがあったり、奥に見える白い砂浜『潮崎ビーチ』まで公園が続いてます」
南浜公園の展望台
潮崎ビーチ
大心「この『潮崎ビーチ』の遊歩道がいいんですよ。赤と青のコントラストが映えて、海を観ながら散歩やジョギング。夏なら涼しい朝か、夕方がお勧めですね。夕日がきれいですから。東屋で休憩したり、お弁当やサンドイッチを広げてゆんたくするのも良さそうですよ」
大心「住宅街から近く、2011年に潮崎町に移転した『糸満南小学校』と『糸満市立糸満南こども園』は喧騒から離れた静かな場所なんです。小学校の学区は真栄里と潮崎町、旧糸満の一部地域が該当します」
住宅街を囲むように自然が広がる「糸満市真栄里」
大心「この『タウンプラザかねひで真栄里市場』もたまに利用します。かねひでの中でも”〜市場”とつく店舗はひと味違う印象がありますね」
筆者「入口付近にさっそく『真栄里マルシェ』のコーナー。沖縄本島南部の生産者が栽培する新鮮な野菜が買える。あと鮮魚コーナーの刺身が新鮮そう!他店舗のかねひでより、惣菜の種類が多い気がしますね」
糸満市立中央図書館
高台からの眺め
大心「真栄里の高台には『糸満市立中央図書館』や『ロンドンの杜公園』があって、木が茂っていなければ、展望が良好なんです。公園の遊具は今、一部利用できない状態ですけど、広いグラウンドがあるので野球やサッカーもできます」
真栄里から新垣・真栄平・真壁方面の展望
豊見城ICに近く、賑やかな国道256号線!Bエリア「潮平・兼城・賀数・阿波根・座波・武富・北波平」
糸満市の北部から中部に位置し、糸満市内で最も高速入口に近い武富。その南東に北波平、阿波根(あはごん)、賀数、座波へと続き、潮平や兼城(かねぐすく)がある国道256号線沿いは、ショッピングモール『サンプラザいとまん』があり、スーパーや飲食のチェーン店が集中する場所です。
Bエリアには小中学校が2校ずつ。近接する賀数の兼城小学校と座波の兼城中学校。潮平の潮平小学校と阿波根の潮平中学校が近く、距離にして400mほど。学区は兼城・潮平・阿波根ともに各一部の地域です。座波には子育て支援センター「ぬくぬく」があり、糸満市立兼城こども園と隣接しています。
256号線の東側には住宅街を囲むように畑や森が広がり、八重町へと通じます。交通量が多い道路も一部ありますが、南風原南ICから糸満市西崎をつなぐ全4車線の県道82号によって、渋滞が緩和されました。
大心「北は豊見城市まで通じる国道256号線。昔から賑やかな通りですね。沖縄限定のファストフード『A&W』や焼き菓子・ケーキを販売する『Jimmy’s』があったり、はま寿司にCoCo壱番屋、マクドナルド、ケンタッキー、丸亀製麺、らあめん花月嵐… 焼肉屋とか、家族で食事に出かけても、どこかしらヒットしますよね」
筆者「糸満市外の人だと通過しがちな通りですけど、沖縄県内1号店のコメダ珈琲店が確か… 沖縄糸満店でしたよね。コメダマニアとしては、沖縄に初出店!と内心大騒ぎで糸満までモーニングを食べに来た覚えがあります」
大心「兼城交差点にあるショッピングモール『サンプラザいとまん』は駐車場が広くて重宝します。食料品ならタウンプラザかねひで『いちゅまん市場』と道向かいには『マックスバリュ糸満北店』。ホームセンター『カインズFCサンプラザ糸満店』はかなり広くて、カインズは県内に3店舗だけなんです」
筆者「FCとつくから、フランチャイズなんですね。そして『コメダ珈琲店 沖縄糸満店』出ました…! 実はこの店舗、コメダが運営する沖縄限定のパン屋『BAKERY ADEMOK』を併設してるんです。南風原店と比べると、スタンドなので規模は小さい。でも沖縄でしか買えない・食べられないコメダのパンが…!コメダファン必見ですよ」
筆者「同じ256号線でもここは阿波根、豊見城市寄りです。個人的に気になっている『丸大』は県内に10店舗とはいえ、なかなか出会えないスーパーです。ユニオンと同じく、24時間営業。沖縄県産野菜や八重岳ベーカリーのコーナーがあったり、お弁当お惣菜大賞2023に入賞した国産豚軟骨のやわらか煮つけ、店内で見つけたテビチ(豚足)入りの沖縄風煮付けが特に美味しかったです。このツヤを見てほしい…」
大心「エンダーの愛称で呼ばれる沖縄限定ファストフード『A&W』といえば、アメリカンで濃厚なハンバーガー。僕はチャビィチキンとチリチーズカーリーフライが好きなんですよ。期間限定の新作バーガーが出たり、話題性がありますよね」
筆者「A&Wの甘〜いオレンジジュースと、ポテトがカールしたカーリーフライが好きで、チリチーズはかなり濃厚。オニオンリングもつい注文してしまう。癖になってますね。笑」
大心「病院といえば、糸満市には大きな病院がなくて豊見城市まで行くか、それぞれ自分に合う小さなクリニックを見つけて受診してるようです。その中でも産婦人科と小児科が入った医療法人仁清会『かみや母と子のクリニック』は有名でよく耳にします」
筆者「小学校低学年まで完全予約制の病児保育を利用できると聞きました。産婦人科は今まで通りに電話予約ですが、小児科はオンライン予約が可能になって、とても便利だと。市外から通う人がいるほど人気だそうですね」
筆者「豊見城ICから県道7号線を南下すると、イオンタウン武富の周辺からデイゴ並木が続き、4月下旬から真っ赤なデイゴの花が咲く。特に賀数北〜賀数南交差点の間とか、満開になった年は見事ですよね」
糸満市立兼城小学校
糸満市立兼城中学校
大心「賀数南交差点といえば、『兼城中学校』と『兼城小学校』が道向かいにあって、武富・北波平・賀数・座波などの北部を中心に学区が広範囲に渡る小中学校です。確か… 小学校は2018年に新校舎になりましたね」
筆者「さらに『新島こども園』の看板!きれいな保育所ですね。市街地だとスペース的に園庭を作れない保育所もあるようですけど、ここは園庭に遊具もあって広そう。吉田商店の先に『糸満市立兼城こども園』もあって、この周辺も子育て世代に向いていそうですね」
Bエリアの最後は、沖縄自動車道のインターに近い注目エリアの武富を紹介します。
豊見城ICに近い立地のよさから、利用者が多いショッピングモール『イオンタウン武富』には、豊富な品揃えで活用頻度が高い『マックスバリュ武富店』、100円均一のダイソー、ケンタッキーやリンガーハットも入り、喫茶店ピノキオ武富店のレトロな純喫茶風メニューも興味深いです。
武富という地域は、古くからの住宅街と新興住宅街に分かれ、どちらも静かな集落です。
昔ながらの風情が漂う高台の住宅街には芝生が広がる『武富児童公園』があり、ブランコだけが設置された素朴さ。そよ風が吹く夕暮れ時、感動すら覚える長閑な光景でした。
自然と住居が融合した長閑な暮らし!Cエリア「照屋・大里・国吉・与座・豊原」
このエリアは「自然の中に住宅街がある」と思えるほど、どの地区も住宅街が畑や自然に囲まれて、集落を形成する昔の名残が温存されてます。
豊見城ICから続く県道7号線と与那原町から伸びる県道77号線が交差する照屋東交差点周辺の西側が照屋です。77号線沿いにポツポツと人気の飲食店があり、賃貸マンションや新しい住宅も目立ちます。八重瀬町との境界線にあたる豊原から、東に向けて与座、大里、照屋が続き、照屋の南側にAエリアの真栄里と接する国吉。
食料品の買い出しは、Aエリアのスーパーやファーマーズ、八重瀬町のスーパーが集まる中心地へも「車で15分以内」という便利な立地です。サトウキビ畑に囲まれた大里の高嶺中学校や高嶺小学校の長閑な光景といい、喧騒から離れた静かな暮らしと住み心地は、子供たちにも有意義で大きな影響を与えそうですね。
大心「Cエリアの中では、照屋が最も賑やかな印象があります。畑側から照屋の住宅街を眺めると、この長閑さ。照屋の周辺は賃貸マンションや新しい住宅が多いけれど、自然も身近にあるんですよね」
糸満市立高嶺中学校の入口
筆者「大里の『高嶺中学校』とサトウキビ畑の光景が… ほんとに長閑でほのぼのします。糸満市内の小中学校へ給食を配給する『糸満市立学校給食センター』が中学校の向かい側に、県道7号線側には『高嶺小学校』が創立されて、小中学校とも学区が広いと聞きました。この場所に9年間通い続ける子供たちがいる、と思うと感慨深いですね」
糸満市立高嶺中学校の向かい側に「糸満市立学校給食センター」
筆者「与座の集落は、2階建てやリフォームした新築住宅が多い印象。八重瀬町との境界線、丘の上には『航空自衛隊 与座岳分屯基地』が見えます。白くて大い… あの何か(写真の右上)は航空自衛隊の警戒管制レーダーのようです」
国吉の畑で佇む「字国吉守護獅子」の長閑な光景
大心「大里、国吉、与座あたりは自然豊かな一帯です。でもあまり不便を感じず暮らしやすいと思います。県道7号線を南下すると、運送業者や土木業者の資材置き場や倉庫が増えるため、大型トラックも走行しますが、道路が広いんですよ。信号を守って安全に横断すれば、デメリットにはなり難いと考えます」
筆者「国吉と与座と大里も、集落を取り囲むように畑や森が広がる。その一方で、糸満市の市街地や八重瀬町のスーパーが集まる国道507号が近く、車で15分ほど。自分たちが暮らす場所に何を望むかにもよりますが、日常生活を通して住みやすい場所だと言えますね」
集落の特色が息づき、人々が助け合う暮らし!Dエリア「喜屋武・米須・真壁」
糸満市の南部にあたり、海岸に面するDエリア。海と森の自然に囲まれて、集落ごとに味わい深い特徴や慣習があったりします。
古き町並みと住宅、学校や子育て施設、金融機関が整った真壁。Dエリア唯一のコンビニがあり、広い敷地を活かして住宅が建つ米須(こめす)。喜屋武ハーリーなどの伝統行事を受け継ぎ、喜屋武岬や史跡の具志川城址で知られる喜屋武(きゃん)。広大な敷地を誇る平和祈念公園がある摩文仁(まぶに)。天然ビーチで名高い大度海岸が広がる大度など、戦跡の爪痕を残した歴史とともに歩んできた地域です。
このエリアには、米須の米須小学校、喜屋武の喜屋武小学校、真壁の真壁小学校各校があり、3校とも各学年1クラスずつ。1880年に創立した明治時代から歴史を持ち、3校の児童は中学に上がると、真壁の三和中学校に通います。
真壁の子育て広場「まかべ」の施設内に糸満市立真壁こども園が設けられ、喜屋武には糸満市立喜屋武こども園、2019年に大度の米須こども園が開園しました。
大心「糸満市の南部へ行くと、アウトドアの需要が広がります。本来は天然ビーチなんですけど、地元の人たちがキャンプに訪れる『北名城ビーチ』はテントの脇に車を横付けできるし、目の前が海。便利な無料のキャンプ場として人気が高いですね」
筆者「大度海岸の天然ビーチもいいですよね。ゴツゴツした珊瑚で足場が悪く、小さな子ども連れには不向きですけど、シュノーケルや干潮時のイノー観察ができ、絶景と自然が溢れるビーチです。すべて自己責任となるため、ビーチに下りる際や遊泳時はご注意ください」
「平和創造の森公園」の遊具広場
ブランコの奥には、広い芝生のエリア
筆者「南部戦跡を尊び、緑を取り戻して平和を継承する目的で開園した『平和創造の森公園』にも芝生が敷き詰められた遊具広場があります。四季折々の植物を楽しんだり、森林浴やウォーキングにも適した公園ですね」
筆者「ここは面白いよ!と知人からよく聞く『平和祈念公園 子供の広場』の巨大な遊具、すごいですよね…。滑り台の種類が多く、大勢で遊べるアスレチック。子供の頃のようなワクワク感を大人でも抱きます」
「平和祈念公園」の子供の広場
子供の広場のアスレチックロープ
大心「ここ『平和祈念公園』では、毎年6月23日の「慰霊の日」に沖縄全戦没者追悼式の式典が行われます。そんな追悼の意と黙祷を捧げる場所で、遊具と戯れてのびのび遊ぶ子供たちの姿は、未来への希望でしかない気がします」
筆者「なんとも深い…。無料で遊べて、糸満市西崎から車で約20分。この利用価値が高い公園を利用しない手はないですね」
そして最後に、南部の真壁・米須・喜屋武を紹介します。
旧三和村の名残から、真壁・米須・喜屋武を総称して三和地区とも呼ばれます。北から真壁、国道331号線周辺の米須、南西の端に位置する喜屋武。各集落を離れるとサトウキビや畑が広がり、似たような風景に見えた3つの集落にも、それぞれ特色がありました。
大心「石垣や赤瓦の古民家が残る真壁。老朽化によってリフォームしたり、新築に建て替えた住宅も見かけ、また進化した真壁の景観が整いつつあります」
糸満市立真壁小学校
糸満市立三和中学校
大心「真壁には、小・中学校と認定こども園があり、すべて隣接しています。1880年に設立された『真壁小学校』は長い歴史を持つ小学校なんですよ」
筆者「中学校の名称だけ、なぜ真壁じゃないのだろう? と思ったら、1948年の創立当時は旧三和村だったんですね。そして現在は真壁・米須・喜屋武の児童たちは『三和中学校』に通うことになる。歴史の流れから汲み取ると、面白い気づきがありますね」
筆者「小学校の隣に『糸満市立真壁こども園』があって、子育て支援センターの『子育て広場「まかべ」』も収容されていると、住民の方に伺いました。向かい側には三和郵便局とJAおきなわ三和支店。そして『真壁児童公園』もすぐ近く。皆が行き交う通りなんですね」
真壁児童公園の遊具
広い芝生の広場
大心「大きな遊具はひとつですけど、『真壁児童公園』がまたいいんですよ。芝生の広場もあって、大人でも昼寝をしたくなる長閑な空気が流れてるんです」
筆者「とてもいいです…。真壁の住民に、食料品の買い出しはどこに行くかと尋ねたところ、Aエリアの『タウンプラザかねひで真栄里市場』や『サンエーV21食品館 糸満店』をよく利用するらしく、よくよく考えたら車で10分足らず。真壁や米須も立地的にあまり不便を感じない地区なんですね」
大心「真壁の南側から海岸線までの一帯が、県道77号線に面した米須です。1880年に創立した歴史の長い『米須小学校』は、2020年に改築されて新校舎になりました。小さな商店のほか、米須交差点のファミリーマート糸満米須店は重宝されてると思います」
米須の集落とサトウキビ畑
街路樹が映える広い通り
筆者「米須は、2階建ての住宅は大きな家が目立ち、1階建ての鉄筋コンクリート住宅を多く見かけました。米須公民館付近の街路樹が茂る広い道路が独特で、道路の路肩にあたる位置に広い駐車スペースを設けて、家と道路の間に車が横列で停まる。ドライブインのように車が連なるアメリカンな装いでした」
大心「米須もじっくり見学すると、いい場所ですよね。あと県道77号線から県道3号線を南下すると喜屋武の集落があります。伝統行事の喜屋武ハーリーが喜屋武漁港で行われたり、喜屋武にも独特の慣習があるようです」
筆者「喜屋武在住の方に、喜屋武での暮らしについて伺ったところ、集落の人たちは皆さん顔見知り。集落内は交通量が少なく、子供たちを自由に遊ばせられる。子育てするには安心かつ安全な環境だと。人から恩恵を受けて、自然と戯れて子供たちはのびのび遊べる。あまり不自由を感じず、今の暮らしに満足してると話してました」
大心「集落という輪の中に入り、近い距離感に抵抗を感じずご近所付き合いを楽しめる人にとっては、自然豊かな環境で素朴に過ごせる。濃ゆいコミュニティのメリットが上手く交わると、いい化学反応が起こるのかもしれませんね」
大心「糸満市内に住んでいても、まだまだ新しい発見がありますね。喜屋武岬にはあまり来ることがなかったけれど、やはり絶景ですね」
筆者「本当ですね。観光目線でなく、暮らしの視点から探った糸満市。それぞれの地域の特徴が見えてきますね。糸満市が気になる方、住んでみたい方、沖縄移住を考えている方の参考になれば幸いです」
まとめ
総合的に見ていくと、糸満市の暮らしと生活に必要なスポットは密着してると感じました。
日常的な買い物や交通の便、子育てや生活に求める環境を考慮した上で「住みたいエリア」を選び、希望する条件をもとに物件を絞り込む。住宅の間取りや日当たりなど譲れない条件に加えて、最終的には物件の価格が決め手になると思います。
一生に一度の買い物であろう「戸建て」や「分譲マンション」であれば尚のこと、自分たちの暮らしに直結する住宅選びに慎重になるのは当然です。納得いくまで物件を比較・検討してみてください。沖縄本島南部に特化した不動産屋、糸満市のオーエン不動産が皆様の住宅選びをお手伝いをします。