沖縄本島南部で家を探したい。そう思っても、あまり土地勘がない人にとっては、住みたいエリアを絞るだけでも難しいと伺います。家族構成や車の有無によっても暮らしやすい地域が変わり、暮らしの中で何を重視するかによっても判断基準が変わると思います。

この記事では「南城市の住み心地と暮らしやすさ」についてご案内します。

弊社オーエンのおすすめ情報とともに、沖縄移住歴15年以上、ライターとして活動している「みやねえさん」の目線から、リアルな情報をお伝えします。南城市在住の方にとっても、新しい地域の魅力発見につながれば幸いです！

沖縄本島南部の南城市は畑が多い農村地帯であり、パワースポットが多いことでも知られ、海と山に囲まれた豊かな自然と、山や森が多い地形を生かした展望の良さが魅力です。

南城市の北部は沖縄自動車道の入口2ヶ所から近く、スーパーが集中する場所では交通量が増えますが、どの集落でも静かに過ごせる自然と一体化した地域だと思います。賑やかな場所から離れるにつれてきれいな星空を観賞でき、高台からの景色は圧巻です。

沖縄を拠点に活動するライター・編集者 みやねえです。それぞれの集落を実際に巡り、取材・調査しながら住民の方に伺った話も交えて、リアルな情報をお届けします。

自然に溶け込んだ豊かな暮らし！山と海に囲まれた南城市

南城市の東側と南側には太平洋が広がり、西側は八重瀬町や南風原町（はえばるちょう）と接し、北側はや与那原町（よなばるちょう）へと通じます。

高速道路の南風原北ICや南風原南ICが近い大里、中城湾に沿うように湾曲に広がる佐敷。起伏がある地形だけに沿岸部と高台に住宅街や学校がある玉城（たまぐすく）。海沿いに位置するため漁港や絶景スポットが多く、聖地も存在する知念。

与那原町から海岸線に沿って国道331号線が続き、南部へ行くにつれて離島のような静けさと長閑さがただよいます。中央には山がそびえ、海と山の自然を同時に体感でき、起伏が伴う地形だけに南城市に住むなら車は必要です。

南城市の大きな特徴は、山や森が多いこと。

山が連なる高台から、北部や海岸線に向かうにつれて平地が広がります。スーパーが点在する交通量が多い地区もあれば、海と山の豊かな自然に囲まれた静かな住宅街は離島のような長閑さを覗かせます。大きなこども園や広い校庭を持つ学校もあり、子供たちがのびのび過ごせる工夫がみられ、南城市で暮らすイメージが自然に湧いてくると思います。

南城市での暮らしは、効率や利便性を通り越してでも、自然とともに歩む本来の人間らしさや豊かさ、沖縄らしさをを体感したい方に向いている地域です。

暮らしやすさや住み心地、生活環境に何を求めるか。

沖縄移住を検討している方、県内から南部へ引越しをご希望の方など、自分たちの暮らしに合う地域を見つけて、よりよい暮らしを手に入れてください。

南城市を4エリアに分類！各エリアについて詳しく説明します

同じ南城市といっても範囲は広く、地域によって特色や生活環境、利便性も変わります。そこで解りやすく、大まかに、以下4つのエリアにわけて紹介します。

各エリアの特徴や特色、生活に紐づくスポットなど、「暮らしに役立つ情報」をお届けします。

高台と海沿いに点在する住宅街！Aエリア「玉城」

南城市の中でも南部に位置するAエリアの玉城。南風原南ICから車で最短10分前後、南側の海岸線からでも南風原南ICまで車で最短約20分と、意外にも移動しやすい地域と言えます。

南城市大里との境界線に、ある程度の規模で住宅が密集している玉城船越や玉城親慶原（おやけばる）、海に面した南部なら玉城志堅原（しけんばる）や玉城百名（ひゃくな）あたりが大きな集落です。玉城當山と玉城屋嘉部（やかぶ）と玉城富里が接する中央部にも住宅や学校が集中し、天ぷらで知られる橋で繋がる離島の奥武島が玉城奥武（おう）になります。

Aエリアの学校は小学校が3校、中学校が1校です。玉城屋嘉部の玉城小学校、玉城船越の船越小学校、玉城百名の百名小学校。そして玉城富里の玉城中学校があります。

ファストフード店や大きなスーパーはないけれど、多少の不自由さを意に介さないほど、豊かな自然とともに暮らせる環境が整っています。また、2024年の夏頃、玉城垣花にコストコが開業予定です。高速道路の南部東道路が全線開通すれば、立地の良さも利便性も一気に高まると思います。

国道331号線に面した玉城富里の『南城市 Aコープ玉城店』は食料品や日用品がひと通り揃い、玉城の貴重なスーパーとして重宝されています。

各集落で今もなお営業する小さな商店の豪華版。あったら便利！な雄樋川沿いにある玉城堀川の『多和田スーパー』は生鮮野菜やお刺身、お惣菜やお弁当、タワキムこと多和田スーパーの自家製キムチが美味しかったです。日常使いに便利な食料品が並び、飲料やお菓子はもちろん、日用品も取り扱っています。

南城市の中でも遊具が充実した大きな公園といえば、玉城中山『グスクロード公園』です。長い滑り台にロープのジャングルジム、幼児や未就園児が遊べる遊具も揃い、高台から海を見おろす景色が爽快な公園です。

休憩用のウッドデッキに横付けできる駐車場スペースも用意されて、敷地が広いため、さほど混雑を感じずに、家族でのんびり過ごせると思います。

乳幼児の保育部・幼稚部から中学部・高等部まで受け入れをする、玉城富里にある『オキナワインターナショナルスクール』。多文化や国際社会への理解力、創造的思考や高度な倫理観などを育んで、ICTとAIのスキルも身につけながら、世界を視野に入れた教育カリキュラムを取り入れています。

玉城屋嘉部の玉城小学校と玉城富里の玉城中学校は至近距離でありながら住所が異なります。玉城當山と玉城屋嘉部と玉城富里が接する中央部に住宅が密集し、こども園や小中学校が集まる便利な地域です。

玉城屋嘉部の玉城こども園は園庭が広く、玉城の全域で大きなこども園を見かけます。

1時間150円で利用できるトレーニング室を完備した『南城市玉城総合体育館』や『南城市陸上競技場』が整備され、この周辺にはうっそうと亜熱帯植物が茂っています。

起伏を伴う玉城屋嘉部の住宅街には人気のカフェやビストロもあります。

南城市役所や南城佐敷・玉城ICに近い玉城親慶原も住宅が密集する集落で、親慶原交差点で交わる2つの幹線道路に面して飲食店が点在します。また海岸線に近く、海まで徒歩圏内の小さな集落では昔ながらの沖縄らしい風情が残されています。

高速道路の南風原南ICから最短10分強という玉城船越は八重瀬町の中心部にも近く、立地の良さに驚きます。住宅街の背後には船越グスクの森が連なり、県道48号線に面して船越小学校があります。

玉城船越の集落

国道331号線沿い、沿岸部に位置する玉城百名には百名小学校があり、『みーばるビーチ』や『百名ビーチ』といった天然ビーチでも知られる地区です。

百名ビーチ

海と絶景、聖地と歩んだ歴史が残る！Bエリア「知念」

知念半島の海岸線に沿うように集落がたたずむBエリア。佐敷と同じく海と山に囲まれた地形ですが、Cエリアの佐敷と大きく異なるのが聖地の存在です。由緒ある聖地が残る地域の誇り、世界遺産に指定された斎場御嶽（せーふぁうたき）があり、このエリアは漁港が多く、高台から臨む景色はまさに絶景です。

Bエリアの学校は小学校と中学校が1校ずつ。知念久手堅に知念小学校と知念中学校があります。

小中学校や図書館が建つ知念久手堅の住宅街から、東側が斎場御嶽。南側に180度を見渡せる知念岬公園。西側には爽快な絶景が待つニライカナイ橋など、景色や景観においては沖縄本島の中でもトップを争う絶景が広がります。

海岸寄りの集落は離島のような空気が流れる長閑さです。自然に身を委ねるような、海と大地の豊かさを間近に感じられる地域だと思います。

知念で唯一のスーパーといえば、『伊集スーパー』です。

惣菜・弁当、お肉や野菜、飲料やお菓子を買いに地元の人たちがポツポツと訪れます。調味料や日用品も取り扱い、急ぎで必要になった時は一般的な商品であればここで揃えられると思います。

海野漁港の近く、広い芝生エリアに東屋が建つ知念知名の『知名くらじ広場』が広々としていて、なかなか爽快でした。

海に近く、山や畑が占める知念知名とその集落

知名崎海岸からあざまサンサンビーチまで伸びる『サンサンロード』は、早朝ウォーキングや犬のお散歩コースに向いた爽快な通りです。

サンサンロードから海を眺め、『あざまサンサンビーチ』へ行く道すがら、対岸には住宅が集まり、細い道が続く安座間の集落は、小気味よいほど静かで長閑な住宅街でした。

久手堅には世界遺産となった聖地の『斎場御嶽』があります。その聖地一帯に寄り添うかのように久手堅の集落が広がり、知念小学校と知念中学校と知念こども園が近接しています。『南城市立知念図書館』内になかよし学童クラブが入り、知念小学校の敷地内に第二なかよし学童クラブが設立されています。

社会福祉法人知念福祉会 知念こども園

海に向かって下る爽快な眺め「ニライカナイ橋」

海と山に囲まれた豊かな自然！Cエリア「佐敷」

中城湾に沿って湾曲に伸びるCエリアの佐敷。背後には山が連なり、海と山に挟まれた豊かな自然に満ちた地域です。国道331号線に街路樹としてヤシの木を植えて、その景観から「ヤシ並木ロード」と呼ばれています。北側は与那原町に接し、東側は湾に沿うように太平洋を臨み、南下すると南城市の知念に通じています。

Cエリアの学校は小学校が2校、中学校が1校です。2024年に校舎の改築工事を終える馬天小学校、海岸まで約400mというビーチが徒歩圏内の佐敷小学校、海岸沿いには佐敷兼久の佐敷中学校があります。

山の高台に南城市役所やつきしろ地区があり、将来的には高速道路のつきしろICが開通予定。南部東道路が完成すれば、南城佐敷・玉城ICやつきしろICから那覇空港付近まで高速道路で接続できます。2024年の夏頃には、つきしろ地区の近く（場所は玉城垣花）にコストコが開業予定と、今後は立地の良さが際立っていくと想定されます。

佐敷から知念まで続く国道331号線の『ヤシ並木ロード』。佐敷津波古を中心にこの通り沿いにスーパーが点在しています。

佐敷新開の「丸大 佐敷店」

価格を抑えた佐敷津波古の『ザ・ビッグエクスプレス佐敷店』や野菜や刺身の鮮度が高い『タウンプラザかねひで佐敷店』、佐敷新開の『丸大 佐敷店』あたりが食料品の買い物に便利です。お酒や日用品も取り揃えた『ダイレックス 佐敷店』は店内が広く、散策するのが何気に楽しいです。

津波古の集落と津波古公民館

山の麓にある佐敷津波古の馬天小学校は、2024年の年内まで校舎の改築工事中です。海岸寄りの住宅街には『馬天児童公園』があり、遊具を兼ねた船やくじらのオブジェ、奥に芝生エリアが広がります。

そして『馬天児童公園』から徒歩15秒。住宅街から徒歩圏内にこんなに美しい天然ビーチがあることに驚きました。この周辺に住んだなら、朝や夕暮れ時に『天の浜』へ通っていまいそうですね。

中城湾の沿岸に広がる佐敷。津波古の住宅街

佐敷新開の『南城市営新開球場』敷地内に、名前のない公園を発見しました。樹木が茂り日陰が多く、ロープのジャングルジムや長い滑り台が面白そうです。夏は蚊にご注意ください。

テトラポットを積み上げた防波堤越しに海が見える佐敷新開の『新開公園』です。ヘルスサポートと題して、足つぼを刺激する器具や腹筋ベンチなど、筋トレやストレッチができる器具が置かれて手軽に運動できます。

海岸に面した佐敷新開の住宅街

小中学校とこども園が集まる南城市の佐敷兼久と佐敷佐敷。佐敷兼久の佐敷中学校の裏側には海岸線が広がり、まるで離島のような長閑さを感じます。地元の学生さんによると、デザインが可愛くて制服が人気のようですね。

海とは真逆に、森の麓に位置する佐敷小学校。校舎の背後に森が広がり、海と大地の豊かな自然を生かした環境が整っています。佐敷こども園の建物は大きく、園庭が広かったです。

佐敷兼久の住宅街

佐敷新里の高台に建ち、広い駐車場を完備した『南城市役所』。この市役所の向かい側には温泉施設やランチビュッフェに定評がある『ユインチホテル南城』が建っています。

ユインチホテル南城の温泉施設『天然温泉さしきの 猿人の湯』は太古の化石海水などが含まれた源泉かけ流し。大浴場から南城市内を一望する景色が圧巻です。温泉に浸かったあとはランチビュッフェに舌鼓を打つ。地元客にも人気の温泉＋お食事プランです。

ビニールハウスや畑が広がり、山の上には「佐敷風力発電所」

高速道路の入口、南風原町や那覇市首里に近い！Dエリア「大里」 

Dエリアの大里は南風原北ICから近く、県道77号線沿いに住宅が集中しています。沖縄自動車道を利用すれば、那覇空港まで車で最短20分。西側は南風原町や八重瀬町に接し、北側は与那原町へと通じ、那覇市の首里周辺まで車で最短10分程度です。

与那原町と接する大里古堅と大里嶺井。南風原町と接する大里高平と大里仲間。八重瀬町と接する大里稲嶺には分譲住宅の大里グリーンタウン、大里仲間と大里大城の間に大里ニュータウンがあります。

山間で起伏が多い大里大里には『大里内原公園』や『大里城址公園』といった広い公園があるかと思えば、団地や分譲住宅が多く人口が集中する地区もあり、その周囲に畑が広がる農村地帯です。

Dエリアの学校は小学校が2校、中学校が1校です。大里嶺井の大里北小学校、大里仲間の大里南小学校、そして大里仲間の大里中学校があります。南城市全域にほとんど総合病院がなく、大里平良の『大里こどもクリニック』は人気があるようです。

県道77号線沿い、大里高平の『イオンタウン南城大里』には家電量販店の『テックランドイオンタウン南城大里店ヤマダ電機』や100円ショップの『DAISO イオンタウン南城大里店』が入り、食料品の買い物なら『マックスバリュ南城大里店』が重宝します。

県道77号線には大里仲間の『大里ショッピングモール アトール』もあります。食料品の『南城市 Aコープアトール店』と衣料品の『サンキ アトール大里店』が入り、一昔前のショッピングモールのような懐かしさを感じます。

生鮮野菜を買うなら、地元の人たちが通う大里高平の『軽便駅かりゆし市』です。大半のスペースが野菜や果物の売り場で占められて、植木や切り花も購入できます。朝8時からオープンするため、週末は朝から車の出入りが激しく賑わっています。

さほど店内は広くないけれど、大里古堅の三大食品直営店『お肉の笑店』は大容量やBBQ用のお肉が人気のお肉屋さんです。タレに漬けた牛肉・豚肉・鶏肉、真空パックの牛汁や山羊汁、回鍋肉や青椒肉絲など中華料理の具材セット2人前など、ひと手間かけた商品も並んでいます。

野球場を備えた大里大里の『大里内原公園』にも筋トレやストレッチができるヘルスサポートの器具が置かれ、パンダの滑り台はソリを使うなど工夫しないと滑りが悪そうです。

ここは壮大な公園でした。大里大里の高台にある『大里城址公園』はパークゴルフや遊具が置かれた広い芝生エリアがあり、展望台から中城湾や佐敷の町並みが圧巻！子供たちが思いっきり走り回れるほど、広範囲に及ぶ公園です。

大里仲間にある大里南小学校と大里南幼稚園。1902年に創立した大里南小学校は900名余りの児童が在学する市内で最も大きな学校です。大里南幼稚園の園庭には複数の遊具が設置され、車で送り迎えする際に駐車場が広くて便利なのが特徴のひとつです。

大里仲間には大里中学校もあります。中学校の周辺に住宅が集まり、住宅街を囲むように畑が広がります。大里ニュータウンや大里グリーンタウンの一部も大里仲間に含まれており、食料品の買い物ならイオンタウン南城大里が近くて便利です。

大里仲間の住宅街

2019年に移転して新校舎となった大里嶺井の大里北小学校。明治時代の1880年に創立した古い歴史を持つ小学校です。

国道329号線が近い大里嶺井は、南風原町の『イオン南風原店』や与那原町へ行くにも便利な立地です。嶺井団地の近くに『サンエーV21食品館嶺井店』もあり、住宅が密集する大里嶺井の集落は、小さな山に囲まれて豊かな自然の中で暮らせる長閑な環境でした。

大里嶺井には、知る人ぞ知る人気の『あおぞらこども園』があり、以前はどろんこ保育園とも言われて、子供たちが大騒ぎして喜ぶどろんこ遊びができます。

地域子育て支援拠点事業『あおぞら広場』や放課後児童健全育成事業『あおぞら学童クラブ』など、子育て世代なら頼もしく感じるほど幅広く活動している保育所です。

大里で住宅が密集する賑やかな場所といえば、高台に位置する大里大城の『大里ニュータウン』や『大里グリーンタウン』です。大里グリーンタウンは規模が広いため、坪数が小さい一戸建てや古い住宅も見かけ、高台に上がるにつれて大きな一戸建てが目立ちます。

大里ニュータウンは全体的に戸建て数が少なく、個性的で広い住宅が多い印象です。どちらも場所によっては高台の住居から市内を一望できます。

大里稲嶺の住宅街

 まとめ

総合的に見ていくと、南城市の暮らしは、海と大地の豊かな自然と大いに紐づいてると感じました。

日常的な買い物や交通の便、子育てや生活に求める環境を考慮した上で「住みたいエリア」を選び、希望する条件をもとに物件を絞り込む。住宅の間取りや日当たりなど譲れない条件に加えて、最終的には物件の価格が決め手になると思います。

一生に一度の買い物であろう「戸建て」や「分譲マンション」であれば尚のこと、自分たちの暮らしに直結する住宅選びに慎重になるのは当然です。納得いくまで物件を比較・検討してみてください。沖縄本島南部に特化した不動産屋、糸満市のオーエン不動産が皆様の住宅選びをお手伝いをします。