2023.09.04

地元んちゅに聞いた、糸満の暮らし〜cafe & market ココロゴコロ 稲嶺さん〜

糸満市西崎にあるコミュニティスペースcafe & market ココロゴコロを営む稲嶺さんご夫婦と旦那さんの母・クニコさん。
地域の人たちが集う公民館のような場所をつくりたいと、2021年10月にオープンして以来、妻・ちひろさんがカフェを手掛け、旦那さんが実父と喜屋武の畑で自家栽培する新鮮な野菜を、母・クニコさんが店頭で販売する。
家族で緩やかに運営している、そんな憩いの場でした。

電源を利用できるカフェとして、ランチやスイーツ、ドリンクを提供しながら、ワークショップやイベントを開催しており、2022年4月から店舗を持たない人たちがポップアップ的に出店するモーニングを始めて、現在は土日限定で朝7時から、モーニング専門店 o.n.mさんがエッグベネディクトやパンケーキのプレートを振る舞っています。

旦那さんと母・クニコさんは、糸満市糸満のご出身。地域との繋がりを大切にする稲嶺さんご夫婦とクニコさんに「糸満市の暮らしや住み心地」についてお話を伺いました。

助け合うユイマール精神!糸満市のイメージについて

旦那さん「海人(うみんちゅ)の町・糸満と言われてきたけど、今は昔ほどの活気は見られなくなりましたね。でも、それぞれが自分好みの鮮魚店を見つけたり、今はスーパーで買ったり。糸満漁港の近く、西川町の英丸鮮魚店(Instagram)丸山鮮魚店あたり、刺身が新鮮でたまに買いに行くと聞きます。『海ぼうず』という居酒屋の海鮮ランチは、安くて新鮮ですよ」

クニコさん伝統行事の糸満ハーレーや糸満大綱引は、糸満ならではの独特な面白さがあって楽しいですよ。ずっと糸満市に住んでいて感じるのは、とても暮らしやすいこと。愛着があるのも理由のひとつですけど、今は大型店が増えて何でも揃うし、海が近くにある便利な暮らしから離れられそうにないですね」

奥さん「ココロゴコロを運営していて思うのが、人と繋がるコミュニティの濃さですね。お母さんが子供連れで来たり、ご近所の年配の方が利用してくれて、初対面同士でもふと会話が弾んで顔見知りになる。緩やかに人付き合いが生まれて、何かあったら助けてくれるユイマール精神が旺盛な気がします。ありがたいことですね」

那覇空港まで車で最短15分!主な交通手段は、やはり車

奥さん「車は必要ですね。特に小さいお子様がいる方なら、保育園や幼稚園の送迎だとか、糸満市に住むなら車はあったほうが便利だと思います」

旦那さん「仕事では喜屋武の畑に行くとき、軽トラックに乗ってます。家にも1台、妻と共有で。車を所有してると路線バスもタクシーも利用する機会がなくて、那覇空港へも車で送ってもらいます。でも遅い到着の飛行機だと申し訳ないからタクシーで帰ります。夜なら那覇空港から車で15分ほどですね。」

クニコさん「今は車を運転しないので友人に送迎してもらったり。だから一緒に出かけることも多くて、食事や買い物も一緒に楽しんでます。あと、糸満市内を周遊するバス『いとちゃんmini』の存在は知りつつも乗ったことはないですね。団体や年配の方が利用してる印象ありますね」

旦那さん「事前予約制だから、 急な用事だと利用しづらいし、若い人は使わないんじゃないかな。西海岸寄りは平坦なので自転車も便利だと思います」

糸満市内なら「食料品の買い出し」には困らない!おいしい地場の島豆腐も手に入る

旦那さん「自分で野菜を栽培してますけど(笑)、新鮮な野菜を求めるならうまんちゅ市場というファーマーズマーケット。ここはよく行きますね。農家さんが直接卸して商品を並べているから鮮度が高いんですよ」

奥さん「たまに規格外の野菜を安く売っていたり、糸満市民も買い物に行く道の駅ですね。スーパーだとサンエーしおざきシティタウンプラザかねひで真栄里市場あたり。西崎にも規模は小さめですけど、かねひでとサンエーがあります」

旦那さん「糸満市内は野菜の無人販売が多くて、農家さんは自分の畑に無人販売所を設けているから新鮮なものが並ぶ。しかも安い。」

奥さん「沖縄そばの麺を製造している西崎製麺所は知られてるかも。人気が高い沖縄そば屋の麺をオリジナルで配合していたり、よもぎ麺やもずく麺、イカスミ麺とか、個性的なものがあったりします」

クニコさん「それなら、サン食品もあるね。お豆腐屋さんはレベルが高いかも。糸満西崎豆腐とか、アマン食品、宇那志豆腐店とか…。スーパーでもアチコーコー(熱々)の豆腐を買えるし、便利ですね」

急な発熱や体調不良!糸満市内の「病院」について

クニコさん「糸満市内には大きな総合病院がなくて、必要なときは北側の豊見城市まで行くんです。以前は、糸満市の真栄里(まえざと)に「南部病院」という総合病院があったけど、豊見城市上田の豊見城中央病院に移転したんですよ。2020年だったかな。

旦那さん「豊見城中央病院と同じ「社会医療法人 友愛会」グループの病院で、豊見城市与根の『友愛医療センター』も注目されています。

奥さん「小児科なら、よく聞くのは糸満市真栄里のきのしたこどもクリニックかな。産婦人科は、かみや母と子のクリニックが有名ですね。人気があって、市外から通っている人も多いと聞きます。産後の育児支援を行っていて、病児保育も利用できる。ホスピタリティにも定評があるクリニックです」

独特の面白さ!糸満市の伝統行事といえばコレ

旦那さん「糸満市の伝統行事というと括りが難しいですね。例えば、ユッカヌヒーという旧暦5月4日に行われる糸満ハーレーは字糸満(糸満市糸満)の行事であって、名城漁港では名城ハーリー、喜屋武漁港でも喜屋武ハーリーが行われるんですよ」

クニコさん「糸満だけは昔ながらの呼び方でハーレーと言います。字糸満には8つの字があって、それが3チームにわかれて3艇のサバニが競い合う。赤が新島、ピンクが中村、紫が西村。その合間に一般人が参加できる職域ハーレーが行われます」

旦那さん「新島・中村・西村が競漕するのは、最初のウグァンバーレー、途中でクンヌカセー、最後にアガイスーブ。青年会と中学生も入れて、5回あります。特に盛り上がるのがクンヌカセーといって、途中でわざと船を転覆させて再び全員が船に乗り込みゴールを目指す転覆競漕。これが面白いんですよ」

クニコさん糸満大綱引は白銀堂から糸満ロータリーまでの区間を使って綱を引き合うんですけど、南側か北側か。どちらを応援するかも出身地で決まっていて、現住所が北側でも、出身地が南側なら南を応援するの。私たちの世代はね(笑)。でも人手不足もあってか、少しずつ綱が短くなってきてね」

旦那さん「でもその方が綱が動くから面白い。あとずっと綱を引き続けるんじゃなくて、綱の上に座って休憩したり。これも駆け引きのひとつ。大綱引の当日に大綱づくりをするのも糸満ならではの習わしですね」

人との繋がりや地域のコミュニティについて

旦那さん「コミュニティの濃さとか、人との繋がりを大切にするのは、良くも悪くも糸満の”らしさ”だと感じます。地域や地元の人たちを大切にするあまり、ローカルルールを持つ飲食店もありますが、それも含めて楽しめる人なら面白く感じると思いますよ」

クニコさん「都会的でいてのどかでもあり、今は子育てする環境が整ってると思います。ご近所付き合いがある地域って子育ての面から見ると、安心だと思うんですよ。そして、周囲の大人は子供たちの可能性を潰さず、やりたいことを応援したり、若者の伸びしろを広げてあげる。時代の流れに合わせて、自分たち大人も変わる必要があるんでしょうね」

奥さん「ご近所の人たちが通りすがりに喜屋武の野菜を買いに来てくれたり、カフェでゆんたくしたり、新しい出会いが広がったと思います。糸満市に住み始めた方、一人で不安を抱えている方とか、何かあったらぜひココロゴコロに来てくださいね」

cafe & market ココロゴコロ
糸満市西崎町3-199
営業時間:11:00〜18:00/月曜定休
土日限定モーニング:7:00〜10:00L.O.
WEBサイト  Instagram

ココロゴコロのお三方、有難うございました!
地元の方も、市外から糸満へお越しの方も、ぜひ一度覗いてみてください。

取材・執筆
OKINAWA GRIT みやねえ さん


[沖縄と東京を拠点に活動]沖縄のライター・編集者チーム「OKINAWA GRIT LCC.」代表。インタビュー取材・撮影・編集、SNS運用、ディレクションなどを担当。 週に1度、映画館で最新映画を観ています。
OKINAWA GRIT

 

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