八重瀬町

八重瀬町の暮らしと住みやすさ


沖縄本島南部で家を探したい。そう思っても、あまり土地勘がない人にとっては、住みたいエリアを絞るだけでも難しいと伺います。家族構成や車の有無によっても暮らしやすい地域が変わり、暮らしの中で何を重視するかによっても判断基準が変わると思います。

この記事では「八重瀬町の住み心地と暮らしやすさ」についてご案内します。

弊社オーエンのおすすめ情報とともに、沖縄移住歴15年以上、ライターとして活動している「みやねえさん」の目線から、リアルな情報をお伝えします。八重瀬町在住の方にとっても、新しい地域の魅力発見につながれば幸いです!

沖縄本島南部の八重瀬町は、国道507号線が南北を横断し、北部から南部まで車で約15分。この近さでありながら町内全域でほぼ渋滞知らずと、町内も町外へも移動しやすい町です。

北側は飲食店やファストフードが連なり、新興住宅街として発展を続けています。八重瀬町は畑やサトウキビが広がる農村地帯であり、特にピーマンの栽培が盛んです。集落ごとに小さな農村公園が存在し、賑やかな北部と自然多き南部で住環境は変わるものの、どこに住んでも緑多き自然を感じられると思います。

沖縄を拠点に活動するライター・編集者 みやねえです。それぞれの集落を実際に巡り、取材・調査しながら住民の方に伺った話も交えて、リアルな情報をお届けします。

渋滞知らずの自然多き町!今もなお発展を続ける八重瀬町

南北に細長く伸びる八重瀬町は3市1町と隣接しています。北側には豊見城市南風原町(はえばるちょう)、東側は南城市、西側は糸満市と接し、南風原町を通り抜けると那覇市内へ通じます。八重瀬町の北部には沖縄自動車道の南風原南IC、スーパーやクリニックが集まる屋宜原(やぎばる)・伊覇(いは)・東風平(こちんだ)

中央部の富盛(ともり)・新城(あらぐすく)あたりは集落を囲むように畑が広がり、太平洋に面した南部には具志頭(ぐしちゃん)・港川・玻名城(はなしろ)などの集落があります。

●八重瀬町誕生までの歩み
北部の東風平町と南部の具志頭村が合併して、2006年に『八重瀬町』が誕生しました。南北を横断する国道507号線が整備されて、スーパーやクリニックが集まる北部の新興住宅街を中心に発展を続けている町です。

八重瀬町の大きな特徴は、町内を移動しやすいこと。南風原南ICから直線に伸びる国道507号線を南部の具志頭交差点まで南下しても車で約10分。距離にして8km弱です。通勤・帰宅のラッシュ時でもほとんど渋滞せず、南部の住宅街から北部の中心地まで車で最短8分という利便性の高さから、どこに住んでも不便を感じない町だと思います。

賑やかな北部か、豊かな自然と戯れる南部か。住環境の大きな違いはそれくらいだと感じます。つまり北部に住めば、買い物や町外への通勤がより便利になります。

 

暮らしやすさや住み心地、生活環境に何を求めるか。

沖縄移住を検討している方、県内から南部へ引越しをご希望の方など、自分たちの暮らしに合う地域を見つけて、よりよい暮らしを手に入れてください。

●八重瀬町内の小中学校・こども園・保育所、子育て支援について

八重瀬町には小学校が4校、中学校が2校、県立高校が3校あります。

住宅が密集する地域にバランスよく幼稚園や保育所が設立され、認可保育園が20ヶ所以上、認可外保育園が5ヶ所。子育て支援センターが東風平に1ヶ所。地区によっては保育所・こども園、小学校・中学校が近接していて、各集落に小さな農村公園が存在します。

ー 以下、八重瀬町役場のホームページより

子育て支援に関するお問い合わせは、八重瀬町役場「児童家庭課」へ。

八重瀬町を4エリアに分類!各エリアについて詳しく説明します

同じ八重瀬町といっても範囲は広く、地域によって特色や生活環境、利便性も変わります。そこで解りやすく、大まかに、以下4つのエリアにわけて紹介します。

各エリアの特徴や特色、生活に紐づくスポットなど、「暮らしに役立つ情報」をお届けします。

スーパーやクリニックが集まる新興住宅街!Aエリア「東風平、伊覇、屋宜原」

南風原南ICから至近距離のAエリアは便利な立地も伴い、国道507号線沿いに飲食店やスーパーが集まり、八重瀬町の中心地として賑わっています。

国道507号線をはさんで東西に広がる伊覇とその東側に位置する屋宜原は分譲住宅や築浅の賃貸マンションが多い新興住宅街です。南側には古くからの街並みに住宅が建つ東風平があり、どの地区も住宅街から道を隔ててサトウキビや畑が広がり、利便性の高さを保ちつつも自然を間近に感じられる子育て世代に向いているエリアです。

Aエリアの学校は東風平小学校東風平中学校です。『子育て支援センター ぴっぴ 』も近く、この周辺で塾や予備校を多く見かけます。伊覇の『八重瀬町役場』や生活に紐づく場所が集まり、南風原南ICの周辺以外はほとんど渋滞せず、車で移動しやすい地域だと思います。

国道507号線に面してファストフードの店舗が点在し、マクドナルドやケンタッキー、すき家やピザパルコなど。そして、利用頻度が高いスーパーが2ヶ所あります。

24時間営業のマックスバリュ八重瀬店

タウンプラザかねひで東風平市場

食料品の買い物に活躍する伊覇の『タウンプラザかねひで東風平市場』は市場とうたった店名だけに、新鮮な野菜や鮮魚に定評があり、サクッと買い物しやすい店内の規模とは真逆に車の出入りが多いスーパーです。

いざというとき、多忙な方や主婦の味方!24時間営業の『マックスバリュ八重瀬店』は八重瀬町では貴重な存在です。

屋宜原の『 八重瀬シティ』は広い駐車場を備えたショッピングモールです。

敷地内には、食品館の『サンエー 八重瀬シティ』、100円ショップのキャンドゥや球陽堂書房、マツモトキヨシ、タリーズコーヒーなどが入っています。

屋宜原の住宅街で特に目を引く『業務用食品スーパー八重瀬店』では大容量の冷凍食品を豊富に取り揃えていて、ちょい足しの惣菜やお弁当のおかずなど、まとめ買いに重宝します。

広い芝生エリアと大小の遊具があり、無料の駐車場を完備した『屋宜原中央公園』は平日の夕方や週末になると親子で賑わっています。公園から徒歩1分圏内にお手頃価格で人気のパン屋や『八重瀬町図書館』、マックスバリューもすぐ近くです。

屋宜原の住宅街は、大きな一戸建てや築浅の賃貸マンションが多く、区画整理されたきれいな街並みです。立地がよく便利なため、子育て世代や共働き世帯はもちろん、老若男女の誰にでも向いている地区だと言えます。

2016年に伊覇へ移転した『八重瀬町役場』。伊覇の周辺も区画整理されていて、築浅の住宅や賃貸マンション、分譲中と書かれたのぼりを見かけます。現在も一部に空き地が残されて、今後も開発が進んでいくと予想されます。

住宅街の周辺で見かけるサトウキビ畑

芝生が敷き詰められた伊覇中央公園

屋宜原と伊覇も住宅街の外側にはサトウキビや畑が広がり、便利な暮らしに自然が融合した長閑さを残す地区です。

伊覇と屋宜原の南側に位置する東風平には、大きな『東風平運動公園』があり、野球場やサッカー場、陸上競技場からテニスコートまで幅広いスポーツ施設を備えています。その敷地内、東風平体育館の真横にある『東風平運動公園』は複数の大きな遊具と芝生広場が設けられ、駐車場はすべて無料です。

1880年創立の歴史ある東風平小学校

1948年創立の東風平中学校

国道507号線に面した東風平中学校東風平小学校。距離にして約300m離れた場所にあり、すぐ近くに『子育て支援センター ぴっぴ 』があります。

広い土地を活用した大きな一戸建て!Bエリア「高良、世名城、富盛、新城、後原」

八重瀬町の中央部、このBエリア一帯は農村地帯が大部分を占めて、畑の中に集落が存在するようなイメージです。糸満市に接する西側の高良から、東側へ世名城(よなぐすく)、富盛、新城へと続き、南城市との境界線に後原(こしはら)があります。

Bエリアの学校は小学校が1校、県立高校が1校です。新城の新城小学校、富盛の沖縄県立南部工業高等学校があります。

畑や空き地が多いため、その広い土地を活用して、広い庭付きの住宅や車2台以上の駐車場を確保した大きな一戸建てが目立ちます。

左側が世名城の集落、右側が富盛の畑

世名城から富盛にかけて標高163mの『八重瀬岳』がそびえ、その南側は『陸上自衛隊八重瀬分屯地』『那覇ゴルフクラブ』へと続きます。八重瀬岳の中腹に『八重瀬公園』があり、桜が見頃になる冬の1〜2月にはやえせ桜まつりが開催されます。

富盛の住宅街に突如現れる『富盛の石彫大獅子』の看板。階段を上っていくと、大獅子の背後に町内を一望できます。

富盛の集落

国道507号線の東西に広がる富盛は通りの西側に住宅が集まり、閑静な住宅街です。土地の広さを活用して、広い駐車場やお庭を設けた大きな一戸建てが多く、住宅街にも緑が多いのが印象的でした。

新城小学校

新城幼稚園

東風平南交差点から県道131号線を南下すると、新城の住宅街に通じます。そして雄樋川を超えると南城市へ。自然に囲まれた住宅街には狭い道もありますが、昔ながらの風情を残しつつも整った街並みで築浅の個性的な住宅を見かけます。

富盛の沖縄県立南部工業高等学校は、3つの学科に分かれています。機械科、電機化、設備工学コースと建築デザインコースを設けた建築設備科があり、それぞれの学科で高度な専門的な知識を学べます。

八重瀬町の至るところで亜熱帯植物が茂り、公園の芝生やサトウキビも色鮮やかな緑色です。そよ風が吹く心地がいい快晴の日に自宅のすぐそばで自然と戯れたり、何気ない日常のひとコマで無意識に味わえる至福のひとときかもしれませんね。

高速道路に近いCエリア「當銘、小城、志多伯、友寄、上田原、宜次、外間」

Cエリアは、南風原南ICの付近から国道507号線の西側に広がり、やや起伏を伴います。

豊見城市と隣接する外間(ほかま)と宜次(ぎし)、糸満市と接する小城(こぐすく)と當銘(とうめ)と志多伯(したはく)、八重瀬町の中心地に近い上田原(うえたばる)と友寄(ともよせ)。住む場所によって豊見城ICを便利に利用でき、全体的に畑が多い地域です。小城と宜次の一部は糸満市の武富に近く、食料品の買い物には『イオンタウン武富』も便利です。

Cエリアの学校は小学校が1校、県立高校が1校です。小城の高台に建つ白川小学校、友寄の住宅街に沖縄県立南部商業高等学校があります。

八重瀬町の総合病院といえば、外間の『南部徳洲会病院』です。内科や外科を中心に、小児科や産婦人科など、20以上の診療科を設けていて、初診でも受診できます。

南風原南ICから通じる県道82号線に面した宜次。農産物直売店の『アグリハウスこちんだ』ではお土産コーナー拡張とともに農作物コーナーが縮小されましたが、日毎に掘り出し物や格安の県産野菜に出会えます。

無料駐車場が用意された宜次の『長田門原公園』では、複数の滑り台や児童用のボルダリングを楽しめて、広大な芝生エリアを思いきり走り回れます。

友寄の住宅街にある『友寄馬場公園』には大きな獅子舞の滑り台。怖いよっ…!と怖気づく児童がいるとか、いないとか。公園自体はさほど広くなく、砂場でも遊べます。

中央に饒波川(のはがわ)が流れる友寄は土地の大半が畑で占められ、区画整理された友寄東ハイツや友寄馬場公園の周辺が住宅街です。土地の広さを生かした庭付きの大きな一戸建て、広い駐車場を保有する一戸建てが多い印象です。

ビジネスに関する専門的な知識を学べる友寄の『沖縄県立南部商業高等学校』

従来の流通ビジネス科・OA経理科・情報ビジネス科のほか、新たに学科を増やして流通クリエイト科・オフィスクリエイト科・デジタルクリエイト科・観光クリエイト科が新設されました。

當銘の『西部プラザ公園』は広大な敷地を誇り、野球もできる多目的広場に遊具の芝生広場やパークゴルフ場、城壁を模した遊歩道も楽しめます。この公園から500mほど車で移動すると『西部プラザ公園展望台』があり、八重瀬町内の爽快な景色を見渡せます。

手前が小城の畑、奥が志多伯の集落

白川小学校

白川幼稚園

小城の高台には八重瀬町立白川幼稚園があり、隣接する白川小学校は送迎用の通学バスを運行(有料)しており、上手く活用できれば、送迎に費やす負担を軽減できると思います。

小城の住宅街

海と森、豊かな自然と戯れる!Dエリア「与座、仲座、安里、玻名城、大頓、具志頭、港川、長毛」

国道507号線を南下すると、突き当たる南部の具志頭交差点。太平洋に面する八重瀬町の南部は具志頭を中心に港川・玻名城・安里の集落があり、土地の大半が畑で占められています。南部といっても、八重瀬町の中心地まで車で約10分。食料品の買い物にも不自由なく、大いなる自然に囲まれて伸びやかに暮らせるエリアです。

Dエリアには具志頭小学校具志頭中学校、港川に沖縄県立向陽高等学校があります。

幹線道路に面した地区も1本道を入れば、そこは閑静な住宅街。夜は街灯が少なく真っ暗な分、星空観賞に適した環境です。太平洋を臨む海や緑多き自然の中で豊かなライフスタイルを実現するに相応しい地域だと思います。

ガジュマルの大樹が見事。具志頭交差点にある八重瀬町の道の駅『南の駅やえせ』では土産品のほか、県産野菜や果物、地域の焼き菓子などを販売し、飲食店が入っています。

同じ敷地内に『JAマートぐしちゃん』があり、八重瀬町の南部では唯一のスーパーです。

サトウキビ畑を見下ろす具志頭中学校

具志頭中学校

具志頭小学校

『南の駅やえせ』の裏側に建つ具志頭小学校具志頭中学校

下校時刻になると、小中学生が『南の駅やえせ』の敷地を横切り、地元の子供たちが八重瀬町の道の駅を往来する賑やかな光景に出会います。具志頭の暮らしを垣間見た気がして、その長閑さにほのぼのしました。

沖縄のプロサッカーチーム『FC琉球』の拠点として、2022年8月にオープンした『八重瀬町スポーツ観光交流施設』が広くてきれいで爽快でした。一般人も利用可能なため、地元の小学生たちが練習試合で利用したり、観戦するのも楽しそう。そして駐車場が広い。

港川遺跡公園

公園の展望台から見渡す長毛の住宅街

『港川漁港』『港川公園』のほか、港川の集落には驚きの遺跡がそびえ立つ。ここ港川で旧石器時代の人骨が発見されたため、港川人と名付けられ、沖縄人のルーツかもしれないといわれてきましたが、現在も解析・研究が続いています。

間近で見学すると迫力満点の港川の遺跡。『港川遺跡公園』の展望台から長毛の住宅街を見渡せます。つまり、この周辺に住むとカーテンを開けた途端、展望台にいる観光客と目が合い「こんにちは」となる可能性が高そうです。

港川パヤオ鮮魚店の入口

港川漁港の周辺には鮮魚店が集まり、港川交差点で一際目立ち、昔から知名度が高い『港川パヤオ鮮魚店』では刺身や寿司に鮮魚の惣菜、ご飯ものから、イカを揚げたオリジナル商品「イカの羽いちゃいちゃ」も酒のツマミとして人気が高く、地元の人たちが入れ替わりに買い物に訪れていました。

港川漁港を臨む「港川公園」

港川には、沖縄県内では学力が高い沖縄県立向陽高等学校があります。そのため、生徒の住居となる賃貸アパートが多く、遠距離で自宅から通えない離島出身の生徒さんも住んでいるそうです(学生寮もあり)。学生が集まる港川。若者が多い地区ともいえます。

八重瀬町の貴重な天然ビーチ「玻名城の郷ビーチ」

まとめ

総合的に見ていくと、八重瀬町の暮らしと豊かな自然は紐づいてると感じました。

日常的な買い物や交通の便、子育てや生活に求める環境を考慮した上で「住みたいエリア」を選び、希望する条件をもとに物件を絞り込む。住宅の間取りや日当たりなど譲れない条件に加えて、最終的には物件の価格が決め手になると思います。

一生に一度の買い物であろう「戸建て」や「分譲マンション」であれば尚のこと、自分たちの暮らしに直結する住宅選びに慎重になるのは当然です。納得いくまで物件を比較・検討してみてください。沖縄本島南部に特化した不動産屋、糸満市のオーエン不動産が皆様の住宅選びをお手伝いをします。

その他のエリアの紹介を見る